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脳内桃色領域。常夏前線停滞中。
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タイトル適当とか言わない。
ただ直家様が書きたかっただけのグダグダSSです。すみません。
全登→直家→弥九郎

行長の若い頃のお話。








風が晴天から雀の羽に乗ってすうと降りてきた。青年の少しくすんだ茶髪を、柔らかく撫ぜる。それでも十分に冷たく感じられた。

彼は再びサラリとした髪をなびかせた。薄墨色の瞳は円らで、少しめかしこめば女の子に見えてしまう。童顔の上に女顔なのだ。
たすきをかけた薄い蜂蜜色の着物から覗く腕も華奢で滑らかだった。

一つ息を吐いた。昼間なので白くはなかったが、手は冷たくなりきっていた。暦上ではもうすぐ春なのにまだまだ寒い。
「って、しまった」
ぼんやりしている暇はあるまい。青年──明石全登はすぐに作業へ戻った。

大晦に向けての城の大掃除である。廊下を拭く侍女が全登の後ろを通っていった。
「さて、私は障子障子っと」
よいせと小さく声を出し、窓の障子を取り外す。畳にそれを置いて、全登は溜め息を吐いた。
「はあ……私、今年もこんな仕事ばっかりだったなぁ……」
こうして侍女達の仕事を当たり前の様に全登がやっているのは、最早彼の仕事だからだ。
此処に来てからというもの、主である直家の身の回りの雑用以外殆どしていない。武人として仕えている筈が、完全に小姓以下の扱いである。お陰ですっかり家事や雑用が板についている全登であった。

次の部屋に移動して、入り口の障子に手を掛けた。軽いがえらく大きいのでぐらりとバランスを崩す。
「わっわっ」
1歩、2歩、3歩とよろけた時、ふっと背中から腕が伸びてきた。その手が障子を支える。
お陰で重心をしっかりさせる事が出来た。ほっと胸を撫で下ろす。
「ああ、転ける所だった……有難う御座───って、え!!?」
振り向いて礼を言おうとした全登は、丸い目を一層丸くした。

光の加減で紫になる黒髪。紅い瞳には竜の様な鋭い瞳孔が開き、それを長く美しい睫が縁取る。煙管から流れる紫煙は、この城の誰もが嗅ぎ慣れた香り。

全登は驚いて声が高くなる。
「な、直家様……!?」
「危ないぞ」
「あっ有難う御座います!」
「僕も居るよっ」
「坊ちゃんまで!」
ふわふわと桜色の髪を弾ませて顔を出したのは、直家の息子八郎である。後の秀家だ。
「な、何で…」
「気紛れだ」「何となく」
響くテノールと明るいソプラノが被った。似ていなくとも流石は親子だ。思考回路は同じらしい。

普段と雰囲気の変わった城の様子を面白そうに八郎が眺める。全登は困った顔をした。
「お召し物が汚れちゃいますよ?」
「構わないよ」
「上にいらっしゃれば今晩までには済ませますから…」
「えー、つまんないよ。良いでしょう、僕手伝うから!」
「め、滅相も御座いません!! 坊ちゃんがするような事では……」
「明石」
肩に引っ掛けた桔梗色の羽織りを揺らし、直家が全登に近付いた。ギロリと睨んで凄む。
「八朗ちゃんは障子の張り替えがしたいんだ。良 い よ な ?」
「え、ちょ、待っ「良かったな八朗ちゃーん? 明石がなぁ、障子、やらせてくれるって☆」
そよ風の様に優しく八郎に駆け寄り全身全霊で頬を緩ませた。気色悪い程の猫なで声で愛息子を撫でる。
「八朗坊ちゃん出来るかい?」
「出来ますっ! 父上、見てて下さいっ!」
「そーかそーか、凄いなぁ、八朗ちゃんは何でも出来るなぁ、流石だぁあ!」
むぎゅうっと八郎を抱き締める。八郎は父の胸からくすぐったそうな笑みを零す。
「えへへっ。もー、父上苦しいですー」
「悪い悪い。ほら、やっておいで」
「はぁい!」
何を言っても無駄なので大人しくしていた全登は、障子紙に突きを繰り出す八郎を見て納得した。
「成る程、紙を破る作業をしたかったんですか」
「ああ」
直家はもう普段の絶対君主モードに変わっていた。
慣れている全登は微笑ましそうに八郎を眺めていた。
「確かに楽しいですもんねぇ」
「……いや、俺はそうとは思わねぇ」
「え?」
「俺は、「あれ? 八朗坊ちゃん?」
八郎が遊んでいる障子の向こうから、ひょっこり青年が現れた。

小西弥九郎である。後ろで小さく縛った茶髪に青いエクステ、黄緑色の瞳。下だけフレームの銀縁眼鏡。
全体的に色素の薄い男だ。長い睫も淡い茶色だった。しかし顔立ちにはまだ少年の名残が見える。
手首には十字架が引っ掛かっていた。本来はネックレスであろうが、幾重かにしてブレスレットとして使っている様だ。

行長は八郎と直家を見て、驚いた声で問うた。
「何でこんな埃っぽいトコ居りはんの? …ぜんとーちゃんは何時も通りやけど」
「全登です、てるずみ」
律儀に全登が訂正する。
八郎が乱入した。
「弥九郎、僕障子張り替えてるんだよっ」
「坊ちゃんが!?」
「破るのがしたいらしいです」
「へぇ、成る程」
「違うよ、ちゃんと張る作業もするよ!!」
失礼な、と言わんばかりに頬を膨らませ怒る八郎。全登はすみませんと微笑んだ。
「それより全登、はがし方とか張り方教えてよ」
「もう全部破りました? ちょっと待って下さいね」

新しい障子紙を取り出しながら、全登は思い出した様に言った。
「そう言えば直家様、さっきは何と仰りかけたんです?」
「あ? ああ、」
振り向く全登に、直家はニッ笑った。
「俺はすぐ破れる和紙に興味は無ぇ。壊しやすいモン壊してもつまんねぇだろうが?」
血色の眼が爛々と輝いていた。






弥九郎は眠りこけた八郎を見詰めていた。疲れて眠ってしまった八郎を、彼の自室である此処まで運んできたのだ。

幸せそうな寝顔。一体どんな夢を見ているのだろう。
きっと楽しい夢だなと口元を綻ばせながら一人考える。
薄桃色の髪を一房指に掬った。この子供独特の柔らかな髪質も失われつつあった。あと3回春を数える前に完全に無くなるだろう。育ち盛りなのだ。

妙な感慨に浸った後、最後に掻巻を整えてやってから立ち上がった。
退出し、八郎本人が張り替えたばかりの障子を閉める。
「ちゃんと眠ったか」
「ぅわっ、直家様ぁ!? 吃驚したぁ……。…毎回気配消して背後から登場すんの、止めてくれません?」
「くれません」
直家は悪戯っぽく笑う。行長は諦めた様に溜め息を吐いた。
「坊ちゃんは良う寝たはりますよ。幸せそうな顔して」
「そうか」
ふっと浮かべた微笑みに、弥九郎は心臓が一度高く跳ねるのを感じた。視線を落として妙な心を払う。

そんな弥九郎の胸中を知ってか知らずか、直家は弥九郎の顔を覗き込んで囁いた。
「弥九郎」
「は、はい」
「俺が嫌いか?」
「そ……そんな訳ありませんッ!」
弥九郎は吃驚して否定する。
(家臣にそんな事を訊きはるんて──僕、謀反の疑いかけられてんの?)
「別に裏切りを疑ってる訳じゃねぇから安心しろ」
「!」
お見通しらしい。
しかし弥九郎は持ち直して問うた。
「じゃあ何でですか」
「お前に興味があるからだ」
「……それは………どういう…?」
弥九郎は怪訝そうな眼を向けた。直家は答えずに問う。
「…俺が嫌いじゃねーなら、じゃあ好きなのか?」
「えっ…?」
「好きかと訊いてんだよ───…恋愛対象として、だ」
「!?」
「答えろ」
「………それは──」
弥九郎は珍しく瞳を揺らした。しかし一瞬で薄笑いを取り戻す。
「どうでしょうね?」
「何?」
「卑怯ですよ、直家様」
「……卑怯だァ?」
「僕の答えがどちらでも良え様に、貴方は反応を考えてはるんでしょう?」
「……ッ…」
今度は直家が動揺する番だった。硝子の向こうでゆらりと細められる黄緑色の眼から視線を外せない。
「僕を試してはるんですか」
「…………!」
「………」
「……どうなんです……?」
「……………」

直家は暫く固まって、
「──…………………ふっ…」
俯き肩を揺らした。
「?」
「っ、くく……はははっ!」
突然笑い出した直家に、弥九郎は怪訝そうに眉をひそめた。
「直家様?」

数秒間肩を震わしていた直家は、弥九郎を見詰め直して唐突に告げた。
「好きだぜ、弥九郎」
「な…ッ!?」
「本心を絶対見せねーお前に惚れた」
「………!!?」
弥九郎は困惑した。直家は笑む。
つ、と弥九郎の胸元に指を立て、口付けんばかりに顔を寄せた。
「何時か、堕としてやるよ。今は関係無ぇ」
「………僕は難易度高いですよ?」
ドキリとした本心は奥に隠しきり、弥九郎は不敵に笑ってみせる。刹那も崩れはしない。
しかし直家は満足げだった。
「だから惚れたんだ」
「…へぇ」
「俺は簡単な事には興味は無ぇからな」
弥九郎の耳に唇を寄せ、低く囁く。


「何時か、"本当のお前"を引きずり出してやるよ」


「───!!」
「ふ……今日はその眼だけで許してやる」
「……おおきに」
踵を返す直家に、弥九郎は誤魔化す様に笑った。しかし頬に灯された桃色は、隠せなかった。


彼奴はどんな顔で鳴くのだろうか。
直家は愉快そうにクスリと笑った。

















すみませんグダグダで。
全登→直家→弥九郎 が書きたかっただけ。もう何だか無理矢理感が否めない!!
そして報われないぜんとーちゃんが不憫(笑)

攻め攻めした奴が受けるってのもアリかなぁみたいなww 行長はホント何しても美味しいな←


行長は、「弥九郎」時代だと少し髪型違います。襟足をいい加減に縛った髪型って好きなんですよねー個人的に(笑)
某復活の某爆弾君が修行中にしてた髪型ですハイ分かりませんね御免なさい!
彼、エクステは緑でもピンクでも持ってるんですよ?使わないだけで。
簡易な奴だから付け外し可能ッス。



もう何だかすみませんな感じに満ち満ちたSSですね!
しかも年内(多分)最後のSSですよ!すみませんでした!


よいお年を!←無理矢理



2009.12.27(SUN)


P.S.
お城の大掃除って大変だと思う。やってたのかなぁ。
少なくとも障子の貼り替えは半端無かったんだろな……
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