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脳内桃色領域。常夏前線停滞中。
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師匠こと第1作者のSSを駄々こねてうpさせて頂きましたぁ!
しかも12月いっぱい限定の無料配布です。さあ持って帰って飾っちゃって!←


何を隠そう、麗夢の“師匠のSS大好きランキング”の2位にランクインする作品であります、島津のクリスマスモノ。あ、1位は勿論宿敵ですよ←
このSSで麗夢が次男×長男に目覚めたとか言うのは此処だけの話。









街並みに装飾過多の電球と何処から湧いて出たのか解らない数の人類が犇めき、その背後では約1か月の間しか耳にする事のないメロディが流れている今日この頃。身も心も切り裂くかの如き冷気を帯びた風が縦横無尽に通り抜けるものの、道行く人々の表情は明るく気の抜けた、どこか浮ついた色を貼り付けている。行き交う人間のほぼ半数が随分と軽やかな足取りで夕闇が刻一刻とその範囲を広げてゆく街へと向かい、今宵を思い思い楽しもうと躍起になる――この日。幸せに浸りきった空気が蔓延する中、頭上に暗雲を掲げたかの様な気まずさを引き連れた一団が粛々と家路へと歩を進めていた。
男ばかりの所帯4人が異常なまでの活気を見せる街へ背を向け足早に去って行くが、歩幅の関係上からか最後尾で懸命に追いかける少年の足並みが不意に止まった。
「…………」
彼の歩みが止まった事を知ってか、先頭を歩いていた3人が足を止めて振り返る。
「…あいつ、何処見てんだ……?」
「んー…此処では無い何処か?」
「馬鹿。……まあ一応心配だな、義弘お前が見てこい」
「兄者は人遣い荒過ぎじゃあ! せめてこの荷物をどーにかせん事には…――って無視!?」
そんな嘆きも露知らずと言わんばかりの顔をして、兄と呼ばれた彼の人は一人離れた少年の元へ向かう。
「どーした家久、何かあったか」
「何見とってぇ?」
その後方からのほほんとした足取りの青年も歩み寄ってくる。が、2人の兄の声も少年には届いていない様子だった。その視線は一点――ショーウィンドウの向こう側に広がる、この時期にしかお目にかかる事のないディスプレイ商品に注がれている。
「……何じゃ、欲しい物でもあるんか」
小柄な弟へ視線を落として問うたが、返ってきた言葉は意外なものだった。

「――兄ちゃん、サンタはうちに来るんかの」
「ほえぁ?」
サンタ即ちサンタクロース、聖ニコラウスの訛ったものとされるかの老紳士の存在には誰しもが一度不思議と思っただろう。幼少期に不信感を抱き、そして絶望を知るのが人間の成長の証と言っても過言ではない。この様な状況を迎えた場合、年長者は然るべき対応を心掛けなくてはならないのだが、これがなかなか骨の折れる作業である。夢を見させ続けるにも限度がある、夢を壊すには忍びない。ここは曖昧に答え、自ずと真実を知る方が――

「来ません」
世界が、止まった。
「…ちょッ……兄者、そりゃあまりにも直接的な物言いでは」
「サンタは来ません」
放たれた爆弾第2発目。
「ウチはキリスト教徒じゃないですから来ません、西洋文化を迎合しないのは御祖父様からの慣わしです。だから、来ません」
普段の姿と結び付かない口調で言葉の弾丸を撃ち終え、義久は聖夜の街を足早に去っていった。
「……あんまり、だな…」
「まあ、元気出してぇ」
残された義弘・歳久の2人があまり支えにならない励ましを送るが、家久は唯ぽつねんと立ち尽くしていた。



闇色の空から音も無く粉雪が舞う、深夜の町。灯る明かりも1つまたひとつと消え、今では町そのものが眠ったかの様に活動を止めている。
そんな場所のこんな時刻に、2つの影が揺らめいていた。

「――と、言う訳だ。容量の少ない頭でも理解出来る内容だったと思うが、大丈夫か」
「……兄者の言いたい事とやりたい事はよー解った…でも――この格好は何と!?」
心の底より絞り出した抗議の声をツッコミに乗せ、義弘は全力で訴えを投げ掛ける。が、返答はあまりにも素っ気ないものだった。
「見て解らんと、鹿だ。鹿のコスプレ」
「この時期はトナカイだって!」
間髪入れず繰り出されるツッコミにも動じる事無く、依然涼しい顔の義久は手元のサンタ帽を被りなおした。
「――とにかく、俺は今からガキ共に夢を与えるなんて柄にもない事を実行しようとしている」
「柄でもないって事は解っとったんですね痛い痛い痛い!!!!」
「はいはい義弘君はそれだけ要らん口叩ける程元気があり余っとる様ですね~…――コレ持て」
ずいっと押し付けられたのは白の布袋。重い訳ではないが何故か無意味にかさばり、担ぐには正直言って邪魔だった。押し付けたくなる気持ちも解らなくはない。
「――それにしても真逆兄者がサンタに扮するなんて…あれ程クリスマスを毛嫌いしとったのに、よっくもまあこんな事やる気になりもしたね」
「お前を除いた可愛い弟達の為だ。たまには夢を見せてやらんと」
容赦無い一言を浴びせられ若干落ち込んでいる様子の義弘に更なる追討ちが掛かった。
「…そこの鹿スーツの不審者、突っ立ってないで早く仕事しろ」
「……仕事?」
「皆まで言わせるな空気読めよ……だから、あの窓から侵入しろ」
指が示す先は大人一人が充分潜れる程の窓。それだけなら別に構わないのだが、問題は別にあった。

窓の位置が、2階だった。

「よじ登れと言う事ですかー!!!」
「漸く理解したのか頭足りてねーんですか義弘君は、てか足りてなかったんですよね」
早く行けよ、と眼が脅している。このままでは視線だけで生命活動を止められかねない為、仕方無しに塀へ足を掛けて屋根伝いに2階の窓を目指す事にした。
袋を担いだ上、粉雪が顔に触れる際の冷たさが如何せん障害となっている。この状態も辛いが、しくじって戻る事は更に辛い。唯それだけを繰り返し、必死になって登り続けた。
「……ふう…何とか登れた、か…」
窓枠に手を伸ばした時、安堵感は驚愕の色に変わった。
「遅いぞ、もっと早く登れんのか」
何時の間にか義久が同じ場所、同じ目線に佇んでいた。足元を見れば梯子が掛けてある。
「兄者も登っとった!? なら俺の時には梯子使わせて貰えなんだ訳!?」
「体力バカにはそれがお似合いだろ」
騒いでんじゃねーよ黙ってろと理不尽に切り捨て、開けた窓から室内へと先に入り込んでいった。窓は前もって鍵を開けておいたものと思われる。
足音を忍ばせ、夢の中にとっぷり浸かっている弟達の傍へ近寄った。
「め…メリークリスマース……」
「意外とノリノリじゃねえ」
「兄者が冷めてるだけじゃ…」
「煩え黙って手ぇ動かせ」
一喝され、袋から出したプレゼントの包みを手渡す。
「…これは歳久の奴か、それにしても靴下には入らん」
靴下へ無理やりねじ込もうと悪戦苦闘する義久は傍らで控えている義弘へ言葉の棘が付いた伝令を投げつけた。
「手ぇ空いてんだろ、手伝え暇人」
馬鹿みたいな音立てるなよと厳しい忠告を心に刻み、義弘は家久の枕元にあった靴下へこれまた無理やり包みをねじ込む。
「――それにしても、こいつ等は寒いんかね…」
視線を靴下から一旦外し、正面へ向ける。眼前には布団の一部が膨れ上がっており、2組敷いてあるそれのうち1組からは腕が一本だけ飛び出していた。大変奇妙な光景である。
「腕が飛び出てるってのが歳久らしいのう…まあ今夜は冷えるて言っておりもしたし、仕方無い事じゃろ」
「寧ろ被って貰ってる方が有難いな、何せ仕事がし易い」
他愛も無い会話を幾度か交わすうちに包みは半ば強制的であったが、何とか靴下へとねじ込まれていた。
「……終わったな、帰るぞ」
「また窓から出て行くのか……」
極力音を立てずに立ち上がり、再び窓辺へ引き返そうとした、その矢先。
「!!」
何とも表現し難い生暖かさが走ったと感知した瞬間には、足首を何者かによってしっかり握られていた。

「「サンタ、捕まえたりッ!!」」
あっけらかんと明るい声が響き、布団から影が2つ、ぬっと飛び出してきた。
「――何だ…歳久も家久もあまり驚かすんじゃなかと……」
「「…………え」」
義弘の声に2人の顔からは輝きが失われ、代わりに落胆の色が張り付いた。
「ひ……弘兄ちゃん…?」
「て事はぁ、こっちは久兄ぃ?」
はああと盛大な溜め息が零れる。そんな弟達の手を払い、義久は電灯の明かりを点けて、言う。
「…――まあ…何と言うか……偶には夢を見させるのも良いかと思ってだな…その……悪かった、期待外れで。特に義弘が」
「事ある事に俺への文句言わんと気が済まんか兄者は!」
わあわあと抗議をぶつける義弘と耳を塞ぐ演技付きで聞き流す義久のやり取りを前に、2人の弟は和やかに笑っていた。
「ううん、構わんよ兄ちゃん」
「兄ぃ達の気持ちは受け取ったよお」
「家久、歳久……お前達は本ッ当に良い弟じゃのう……」
涙ぐましく語る義弘に対してまたも義久からの手厳しいツッコミが入る。
「鹿の格好した奴が泣いとるとは実にシュールな光景じゃのう」
「感動ぶち壊し!!」
「それにしても弘兄ちゃん、その格好は馬鹿みたいじゃ」
「これ家久、あれはみたいじゃなく馬鹿そのものと言いなさい」
「あはは、久兄ぃなら言うと思ったぁ~」
「皆して文句言わーん!!!」

何時の間にか笑顔が零れ、はしゃぐ声が響き出す。
たとえ待ち人来ずとも、共に楽しむ誰かが傍に居る。

聖夜には、奇跡が付き物なのだから。



【聖なる夜の小さなキセキ】

*fin*



「兄ちゃん、プレゼント開けて良い!?」
「おーおー、好きにしろ」
きゃいきゃいと騒ぎつつ包みを開けてゆく弟達の姿を見て、義弘がぽつりと囁く。
「……兄者、俺へのプレゼントは…?」
「あ? 誰がお前に金出して物贈るんだよ……つか今回は可愛い弟達への贈り物だ。可愛くない義弘君は除外の方向で」
「流石にそれは酷いッ!!!」

聖夜の奇跡は、不発の模様。


*fin*




めりくりー!(挨拶)
何とかクリスマス滑り込みセーフ!!(笑)
気紛れで書き始めた季節限定小話が間に合って少し安堵してます。いや本当に。

今回は趣味ダッシュさせて頂きました!凄絶にッ!(笑)何たって島津家+現代設定デスからねー!(にこり)
後悔なぞ……無いッ!!!(何)

では
後悔をしてしまわないうちにお開きと致しましょう!

それでは
一読頂き有難う御座いました!

2oo8.12.25(Thu)

挟霧屋御鷺 拝





(ここから麗夢)

実はコレ
「久)テメェには金使ってプレゼントなんかやらねーよ。それとも何だ、俺以外何か欲しいモンがあんのか」「弘)いえ美味しくいただきます☆」
と続くんですよ!!(妄想)
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