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脳内桃色領域。常夏前線停滞中。
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下の行長編とセット。
順番はあまりないですが、一応行長編から読む事をお勧めします。

ちーご様に限りお持ち帰りしておkです、需要は1000パー無いですけど。



※sara更紗のファンである・ちーご様のキャラ達が大好きだって方はバックプリーズ。残念な感じに仕上がっております故。





















夢を見ている。

夢の中なのに自覚した。
見たことの無い様な履き物を履き、金属の付いた帯を締め、変わった形の眼鏡をかけた青年が立っている。
誰?──そう問うた筈なのに、

──嗚呼、わいや……

何故かそう呟いた。何となく手を伸ばす。彼もまた指を突き出してきた。
そして

触れた、瞬間──



岡山城の一角。柔らかな光にゆるりとくるまれて、弥九郎は瞼を上げた。
夢を見た気がするが忘れてしまった。
「ッ……何か体がえらい痛いな…」
何故か固まった節々を動かしながら、弥九郎は上体を起こした。藤色の自分の長い髪が近距離で見える。
自分は机に突っ伏して眠っていた様だ。どうりで痛い筈である。
「……??」
机に散乱した書類を持ち上げて首を傾げた。状況から察するに寝入る直前まで仕事をしていた様だが覚えがない。
よく見渡してみれば部屋も初めて見る風景だ。
「何──これ!?」
視界にある全てが身に覚えの無いものばかり。嫌な汗が背中を伝う。
 此処は何処 わいは誰ぇええ!!?
半狂乱になりながら髪を掻き回す弥九郎の背中で、ぱあん、と襖が開いた。
「御免なさい、仕事一人でさせちゃっ───」
転がり込んできた青年は、その情けない表情のまま固まった。
「………」
「…………」
見つめ合う2人。
「「誰?」」
同時に訊く。先に答えたのは青年だった。
「私は明石全登、ですけど……。貴方は?」
「わいは小西弥九郎。気付いたら此処に居たんやけど──ってどしたん?」
全登と名乗った青年はポカンと口を開けていた。
「小西…さん……ですか?」
「そうや」
「もしかして宇喜多直家様に仕えてたりします?」
「もしかせんでも直家様の家臣やな」
「商人出身の?」
「一応実家は商いやっとるけど………って何で知ってるん!?」
「知っているのは……当たり前です…」
「?」
そして全登が継いだ言葉に、弥九郎は唖然とした。





目の前に座る男は一息煙管に唇を付け、こう零した。
「パラレルワールド、って奴か」
男の目から見ても美しい人だ。猫科の獣を思わせる紅い瞳に、流れる様に踊る黒髪。光の加減で紫に輝く。
だが呆けている暇は無い。弥九郎は聞き返す。
「パラレルワールド?」
「ああ、昔弥九郎──お前と違う弥九郎──が言っていた。まぁつまり、この世界と似た別の世界って奴だ。お前は“別の世界”の“弥九郎”なんだな」
「そう──なります」
いきなり言われても実感が湧かないが、彼は“宇喜多直家”らしい。さっき説明された。
未だに理解出来ぬ状況に頭がパンクしそうだ。だが直家は悩む暇も与えず、手の中で煙管を踊らせながら言った。
「お前の世界の“宇喜多直家”はどんな人間だ?」
「へ?」
「興味がある。話せ」
「…そうですねぇ………やっぱり何処か貴方と似たはると思いました。どんな姿も絵になる所とか…」
「絵になる?」
「どんな姿をしたはっても絵になるんですよ。坊ちゃんに微笑む姿も、ぼんやり空を眺める姿も、欠伸しはる姿さえ……」
其処まで言った時、突然直家が可笑しそうに笑った。喉の奥でクツクツと声を立てる。
「お前は“此方”の“弥九郎”とは全然似ていないな。アイツはそんなに本心を出す様な素直なタチじゃねぇ」
「本心? 素直…?」
「そんなあからさまにノロケねぇって事だよ」
直家は挑発的に笑んで見せた。
「な、わいは、ノロケとかそんなんじゃなく……!」
「主に惚れるのも大概にしろよ──…」
有無を言わさず立ち上がり、いい加減に羽織った羽織りに風を溜めながら直家は座敷を去る。すれ違いざまにふわりと流れた、紫煙の香りが鼻腔をくすぐった。





「貴方は本当に弥九郎なの?」
此方側の“弥九郎”が使っていたという部屋。
八郎が全登が煎れた茶を持ってきて、弥九郎の隣に腰を下ろした。弥九郎の知る、空色の髪の“宇喜多八郎”より大人しそうな顔だが、雰囲気の柔らかさは同じである。
「一応弥九郎です…」
弥九郎は苦笑の混じる笑顔を浮かべた。
ふうん、と八郎は弥九郎を改めて観察する。弥九郎は茶を口に含み、
「じゃあ貴方も加藤さんが大好きなの?」
盛大に噴いた。
「はぃい!?」
「だって父上が言ってたよ。弥九郎と加藤さんはらぶらぶだから、喧嘩してても心配するなって」
「加藤とラブ──ッ!?」
弥九郎は自分の世界の清正を思い出し、己と並べてみて身震いした。
「絶ッッッ対に有り得ません!!!」
「貴方は“弥九郎”なのに加藤さんが嫌いなんだ?」
「大嫌いやわあんな奴!」
「そんなに嫌な人?」
「そりゃあもう!」



時を同じくして、清正は岡山城を訪れていた。小西が大変だという噂を聞きつけてやってきたのだ。
全登に案内された道を歩いている間、清正は呟き続けていた。
「俺はアイツを心配した訳じゃない。アイツがぶっ倒れたりしたら俺の仕事が増えるというだけの理由であって、アイツを心配した訳じゃないんだ…」
サラサラと滑らかなポニーテールを揺らし足を動かす。頭は言い訳でいっぱいである。
そうして教えられた部屋の障子に手を掛けるより早く、中の声が耳を突いた。
関西弁だ。その騒ぐ声が清正の鼓膜を震わせた。
「無愛想やし口も性格も目つきも悪いし、何てったって馬鹿やねん!」
 ………何だと…?
清正の焦点の合わぬ瞳が、和紙に写った影を睨む。声の違いなど今の清正の思考回路に無い。そうとも知らず、弥九郎は続けた。
「凄い潔癖症でな、厠ではごっつう高い下駄履くんやで。馬鹿以外に何て呼ぶ!? 虎とか呼ばれてるけど、つまり武器を振り回す以外能無いっちゅー事やできっと!

あんな奴、1000人おっても直家様の魅力にはかなわんわ──」

一瞬我が耳を疑った清正は、理性を忘れ、人影目掛けて障子を蹴破った。
倒れた障子が後頭部を暴打する。
「小西貴様ァァアア!!!」
刀を振り上げる。踏みつけている格子から這い出た弥九郎を一思いに斬りつける算段だ。
驚いて人を呼びに行った八郎の足音を聞きながら、弥九郎は意識が遠のくのを感じた。



次に吸った息は妙に埃っぽかった。数回咳き込んで、弥九郎は瞼を上げる。
「痛たたた……何が起こったんやぁ?」
見上げると、直家がいた。寝転ぶ自分に乗っている。
弥九郎はきょとんと直家を見上げ、自分の状況を理解して絶叫した。
「な、ななな直家様ぁぁあ!? ちょ、わい押し倒されて……何コレ何コレ何コレ!!?」
アタフタと無意味に手足を動かしたら、何故か直家が噴き出した。それどころか、弥九郎の肩に額を埋め、暫く声を上げて笑った。
 何なん、何なん何なん何なん何なん!?
漸くおさまると、直家は吃驚する程柔らかな笑顔で見下ろした。
「よくぞ戻ってきた」
訳は解らないし直家の笑顔に心臓は跳ね上がるし、弥九郎はポカンと口を開ける事しか出来なかった。
お構いなしに、直家は弥九郎の頬に触れる。


「…お帰り」






















ハイすみません!!!!!!
本当にすみません!!
やっぱり人様のキャラだと細かい設定が解らず、描写が短くなってしまいました……。いい加減なんじゃないんですよ!? 
でも何か自分のキャラばっか書いてた気がする……orz


最後は2人キスさせたかったんだけど、ちーご様がキスさせてないのにこっちで先にしちゃうのはどーよ!?って事で自重。
しかし、大阪人が書く大阪弁は読みにくかったかも……。独特の敬語『~し(た)はった』とか、行長編の『仕事やっとったんちゃうんやっけ』とか特に。大丈夫ですかね? 後者はよく言うけど、文字にしたら凄ぇ読みにくい事を知りました(笑)




ちーご様並びにちーご様ファンの方々……本当にすみません。
マジすみません!!
もう2度と調子乗りませんから許して下さい!!!!


久しぶりに1日に2本書いたんだ……ぜ………ガクッ(力尽きた)
以下、最後の力で書きますおまけ

2009.8.3(MON)





やっと起き上がって、直家の笑顔にまだドキドキしながら弥九郎は尋ねた。
「で、“もう1人のわい”と何したはったんです?」
「気になるのか」
ふっと直家が笑う。
当たり前やろ!? 気が付いたら直家様に押し倒されてたって事は、それまで“もう1人のわい”と直家様は………
「嫉妬してるのか」
改めて確認されて赤くなる。
「いえ、わいは嫉妬とかじゃなく……!!」
「安心しろ。何も無かった」
「良かった…」
ホッと胸を撫で下ろし、弥九郎は今更ながら言い訳に取りかかった。
「“小西弥九郎”って言うても異世界人やし、そんな訳も解らん奴の所為で直家様が何かあったらと、一家臣としてわいはご心配をさせて貰ったのであって、嫉妬とかそういうんじゃ……!」
「成る程なぁ」
直家は可笑しそうに笑っている。
「ちょっと直家様、ちゃんと信じてます!?」
「信じてる信じてる」
「絶対嘘やわ!!」
弁解に必死になる弥九郎は、並べた2人の肩が何時もより近付いていた事に気付いていなかった。


何処か遠くて近い世界で、1人の男がふっと笑った。
「さて、“僕”と“直家”様は、上手くいったんかなぁ…」
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